「マイナス金利と不動産の鑑定評価」というテーマで神戸大学名誉教授大野喜久之輔氏の講演を聞きに行った。
【要点】
脱デフレのためにマイナス金利をやらせているが、全く効果が出ていない。
デフレは、需要の不足により生じるのであるが、その根本原因は過小消費にあり、それはまた富の分配に淵源を持っている。
資本性市場経済システムの内的矛盾:利潤を生むためのコスト削減(とりわけ賃金コスト)が必要だが、他方で消費需要の伸びを抑えて滞貨をもたらす。
総生産(所得)と消費(需要)の差(つまり貯蓄)が投資(需要)によって満たされれば良いが、そうでなければ滞貨が生じる。
生産設備等への投資は生産能力を高めることになり、次期以降の販路問題を厳しくする。
生産性の上昇に合わせて賃金を引き上げることが肝要である。
1908年ヘンリー・フォードは、コンベアベルトを導入して大量生産を始めた時、週給11ドル(日給2ドル、土曜半ドン)の時代で従業員に日給5ドルを払った。
消費者としては、非正規社員を正規社員に採用したり、身障者を雇用している優良企業の製品を選好する等の消費行動が必要。
【感想】
全くそのとおりである。